この記事ではギャップ(窓)について解説します。
窓とはチャート上で取引がなかった価格帯の事を指しますが、『窓は埋める習性がある』という性質を利用してトレードをする、窓埋めトレードが存在します。
多くの場合は窓は埋める傾向にあるのですが、窓の形にも種類があり相場の状況を教えてくれています。
この記事では窓の種類と窓埋めトレードについて解説します。
窓明けと窓埋めとは?
FXは平日、月曜日~金曜日24時間取引が行われているのでローソク足は連続して重なり合いながら動いています。
しかし、土曜日と日曜日にはチャートがストップしているため
取引時間外に為替相場に影響を与えるような経済事象が起きると、月曜日の朝に大きく価格が乖離して窓が開きます。
土日に各国で選挙が行われたり、テロや天変地異などの事象で窓が開くこともあります。
上記の例では月曜日の始値は金曜日の終値よりも高いところからチャートがスタートしています。
上方向に窓が開いているので「上窓」と言います。上記の例ではその後窓を閉めて、下落トレンドに入りました。
上記はイギリスがEUを強硬離脱するというニュースが出て、250pipsも下窓を開いてスタートしました。
その後チャートは窓を埋めて、いったんの上昇トレンドに入っています。
上記2つはわかりやすい例ですが、多くのトレーダーが『価格の乖離は一時的なもので、たまたま発生している。長くは続かないだろう』という心理から多くの場合、窓埋めをします。
しかし、必ず窓埋めをするわけではなく窓が開いたまま相場が片方向に進む事もあります。
まだ月曜日中に埋める事なく、2~3日かけて窓を埋めていくといった事もあり注意が必要です。

窓開けの種類
ここでは3種類の窓開けを紹介します。
ブレイクアウェイギャップ
ブレイクアウェイギャップはレンジ相場(価格の揉み合い)が続いている時に上限か下限に大きく価格が乖離してスタートします。
重要な価格パターンが形成された時にブレイクアウェイギャップが現れて、重要な値動きの始まりのシグナルとなります。
つまり新しいトレンドの発生を示唆する窓と言えるでしょう。
天井圏や底値圏から離脱するときにブレイクアウェイギャップが現れやすいです。
上記はGBPJPYの日足です。
上昇トレンドの終わり付近で日足が連続7本揉み合いをしているため、価格がどちらに行くかわからない状況です。
含み足のリバーサルデーも起きています。月曜日に朝に価格が下方向に窓を大きく開けてその後埋めることなく下落トレンドに入りました。
このようにブレイクアウェイギャップは、揉み合いのブレイク時に発生して新たなトレンドの形成を示唆しています。
ブレイクアウェイギャップは抵抗線として機能します。
支持線・抵抗線に関しては、『支持線と抵抗線(サポートラインとレジスタンスライン)とは?』の記事をご覧ください。
ランナウェイギャップ
ランナウェイギャップはトレンド発生中にさらにそのトレンドの強さを表している窓です。
トレンドの途中で発生して、相場がさらにトレンドを維持していく事を示唆しています。
上記はGBPJPYの日足です。
長く続いている上昇トレンドの途中にて上窓にてスタートして、さらに埋めることなく上昇トレンドを維持しています。
上昇トレンドでは相場の強さを表していて、下降トレンドでは相場の弱さを表しています。
上昇トレンドにおいてはランアウェイギャップは支持線として機能します。
トレンドが発生している時に同じ方向に窓を開けて相場がスタートした時は、安易に窓が埋めるものだとは予想せずに様子を見たいところですね。
エグゾースチョンギャップ
エグゾースチョンギャップはトレンドの終わり付近で現れるギャップです。
価格が目標値に到達して、窓は埋めないものの逆向きのローソク足で引けた時に起こりやすいです。
例えば、上窓にてスタートしたにもかかわらず陰線で引けるも窓は埋めきらないような場合です。その後数日間揉み合ってから転換する事もあります。
上記はAUDJPYの日足です。
上窓でスタートしましたが、ランアウェイギャップになることは無く翌日はローソク足が陰線にて引けました、
その後窓を埋めて下落トレンドに入っています。
まとめ
今回の記事では窓開けについて解説しました。
窓開けと言っても窓の種類によって相場の状況が把握できるかと思います。
どんな種類の窓なのか?を予想しながらトレードすると精度が上がるかもしれませんね。
重要な反転シグナルの窓であるアイランドリバーサルギャップに関しては、『アイランドリバーサルギャップとは?天井や底を知らせる反転チャート』の記事をご覧ください。