以前紹介した、ダウ理論では明確な反転シグナルが発生するまでトレンドは継続するという概念を伝えました。
「トレンドはフレンド」という言葉が存在するくらい、トレンドに乗ってトレードをする事の重要性を物語っています。
今回は、連続的な高値と安値を形成しながら動くトレンドに関して重要な支持線と抵抗線について紹介します。
支持線と抵抗線とは?
ポイント
支持線=そこまで下げたら反発するであろう下値
抵抗線=そこまで上げたら反発するであろう上値
支持線はサポートラインとも呼ばれていて、買いの勢力が売り圧力を上回るほどの強い状態を示しています。
抵抗線はその逆で売りの勢力が買いの圧力を上回るほど強い状態となっています。
上昇トレンドでは抵抗線のブレイク(緑の丸)はトレンドの継続を示唆していて、値が大きく動き出すポイントでもあります。
上昇トレンドでは、支持線水準と抵抗性水準を切り上げていきます。
また一度、抵抗線をブレイクすると過去の抵抗線が支持線に変わります。
上記の図では抵抗線の高値1が、4にて支持線に変わっているのです。
上昇トレンドの抵抗線付近では買いの勢力と売りの勢力が拮抗しているため、跳ね返されてしまう時があります。
この時トレーダーは支持線を割り込んでしまった時にトレンド転換だと判断します。
下降トレンドでは上昇トレンドとの逆です。
下降トレンドでは、支持線が下落を食い止めているポイントとなっています。
この支持線をブレイクして、安値を更新すると下降トレンドの継続と判断できます。
下降トレンドでは、支持線水準と抵抗線水準を切り下げていきます。
トレンド転換の例
上昇トレンドにおいては、調整的な押しが前の下値を大きく下回ってしまった場合、
上昇トレンドが終了したか、レンジ相場への移行のシグナルと判断できます。
何度も支持線を下回ってしまった場合は、下降トレンドへの転換が起こったと判断する事もできるでしょう。
ひとつ前につけた抵抗線を試すたびに、上昇トレンドは特に重要な局面を迎えています。
上昇トレンドで価格が前の高値の更新に失敗したときはトレンドが転換しつつあるかもしれないというシグナルになります。
トレード初心者の方にありがちなミスとしては、
上昇トレンドにおいて抵抗線を超える直前に買いポジションを持ってしまったり、高値をブレイクして上昇トレンドが継続する場面で売りポジションを持ってしまう事です。
トレンドに乗るトレード手法の場合は、高値を更新してトレンドの継続を確認してからポジションを持つべきです。
支持線で何度も反発する例
上記はAUDJPYの日足ですが、支持線で何度も反発しています。
その後、反発して大きく上昇しているのがおわかりになるかと思います。
FXは世界中の多くの参加者が取引をしていますが、常に前回の安値に注目しており、
その付近では買いオーダーが多く入り、逆に売りオーダーを出しているトレーダーはポジションを手仕舞いします。
売りオーダーは買いに転じて、新規の買いポジションが積み重なる事で支持線にて反発をする仕組みになっています。
支持線での反発が3つ、4つと増えていけばいくほどポジションが集中して、パワーを溜め込みます。
安値をブレイクしたり、反発して高値を更新した時に大きく動く傾向にあります。
支持線領域と抵抗線領域で取引される時間が長ければ長いほど、重要性は増します。
1か月ももみ合いが続けば、5日もみ合った時よりも重要性が増すのです。
支持線と抵抗線の役割が転換する理由
支持線と抵抗線は、
支持線 → 抵抗線
抵抗線 → 支持線
に転換して逆になる特性があります。レジスタンスライン、サポートラインと呼ばれているため、
この転換して逆になる事を『レジサポ転換』とも呼びます。
レジサポ転換は「相当な幅」の突破があると、転換しやすい性質があります。
2の付近で買いポジションを持っているトレーダーは抵抗線を突破して値が大きく上昇した事で喜びます。
しかし、「もっと買っておけばよかった!」と後悔しているかもしれません。
値が下がってきて再び購入するチャンスがあれば買いポジションを持とうと考えます。
抵抗線を突破する事はない!と考えて売りポジションを持ったトレーダーは予想外に値が上がってしまい後悔しているかもしれません。
仕掛けたポイント手仕舞えるように値が下がってくる事を祈ります。
市場に参加していなかった傍観者は上昇トレンドの継続と判断して買いチャンスを伺っています。
つまり、多くのトレーダーの心理が前回の抵抗線まで値が下がったタイミングで
買いを仕掛けたいと一致するため、抵抗線→支持線にレジサポ転換を起こすのです。
上記は多くのトレーダーが狙っている局面です。
レンジ相場で何度も指示箋と抵抗線にて値が反発して行ったり来たりを繰り返しています。
2のポイントで支持線をブレイク。戻ってきたところで戻り売りを仕掛けるトレーダーが多く存在します。
レンジ期間が長ければ長いほど、どちらかにブレイクした際に指示線・拮抗線の役割が重要となります。
まとめ
今回の記事では支持線と抵抗線について解説しました。
支持線と抵抗線を意識する事で不要なポジションを持ってしまう事を減らし、その他のトレーダーの心理を垣間見ることができます。
是非、過去チャートを見て、支持線と抵抗線の役割を確認してみてください。